大分県公立学校教頭会 会長 伊 藤 浩
ここ数年,教育改革が足早に進められていく中,昨年度には,「特別の教科,道徳」「アクティブラーニング」などが注目される新学習指導要領の改訂が具体的に動き出しました。本県におきましても,本年度は「芯の通った学校組織改革」が第4フェーズをむかえ,授業改善策の定着が進められているところではありますが,それに伴い会員の皆様方の連絡調整,職員に対する指導と公務に慌ただしさが募ってまいりました。
そこで,本教頭会が職能集団として,めざすべき目的達成のための4つの柱をご確認いただきたいと思います。
第1の目的は研修活動の充実です。本年度は,全国及び九州地区公立学校教頭会共通の第十期研究主題「豊かな人間性と創造性を育む学校教育」キーワード「生き抜く力・絆づくり」の2年次にあたります。この主題のもと,今大会では,筑波大学人間系教授 浜田博文氏をお招きし「学校の組織力と教師のエンパワーメント」のご講演を賜りました。午後からは,5課題10分科会におきまして,20の提言が行われました。各分科会におきまして,変革期における教育の在り方やそれを創造する教頭の在り方を究明し,課題解決への最善の方途を探求できたのではないかと思います。
第2に要請活動の充実であります。昨年度の全国の教頭・副校長の勤務実態を踏まえて,先般,全公教要請部長会が開催され,文科省並びに国会議員に対しての要請が行われております。先日,各メディアによって教頭先生方の厳しい勤務実態が報道されておりましたが,本県におきましても県教委に対する要請活動を行うとともに,各郡市におかれましても教育水準の維持向上に必要な教育諸条件の整備充実を目指して,教育事務所及び各市町村教育委員会に対しての協議会を開催し,要請活動を充実していただきたいと思います。
第3に組織の発展・強化であります。県教頭会事務局は各郡市教頭会と緊密に連携し,情報を共有するとともに,各専門部が関係各機関と連携しつつ主体的に活動を行い,会員の専門性を高める
ことに寄与しなければなりません。
最後に,被災地への支援であります。東日本大震災から丸4年が経過し,日常生活における復興は進みつつありますが,東北3県の学校現場では,いまだにプレハブ等の仮説校舎や廃校利用における教育活動が続いております。また,4校が一つの校舎を利用しているケースもあります。今後も被災事実を風化させることなく,支援の手を差し伸べていかなくてはなりません。併せて,各校におきましても,きたるべき災害を想定した防災教育の充実に努めなくてはなりません。
本年度は,戦後70年という節目の年でもあります。教育現場におきましても戦後の教育の有り様を振りかえり,新たな時代にふさわしい教育現場のあり方へと転換していかなければなりません。会員の皆さまにおかれましては,本豊後大野大会が明日からの活力の一助となりますことを心から祈念いたします。会員の皆様からは,「特別支援教育の推進について,教頭の役割がわかりやすく示され,とても参考になった。」「いろいろ悩んでいたが,アドバイスをいただき,とても勉強になった。」等の声が寄せられています。
最後になりましたが,本研究大会の開催にあたり,ご尽力いただきました豊後大野市教頭会の会員の皆様,竹田市教頭会をはじめ関係各機関の皆様に心より感謝申し上げ,主催者を代表しての挨拶といたします。
学校の組織力と教師のエンパワーメント
筑波大学人間系 教育学域教授 浜田博文氏
(下記より講演内容がダウンロードできます。)第48回 大分県公立学校教頭会 研究大会(豊後大野大会)の報告書等が閲覧できます。
クリックするとファイルが開きます。
※PDFが表示されない方は、ページ下からAdobe Readerをダウンロードしてください。
第48回 大分県公立学校教頭会 研究大会(豊後大野大会)の報告書等を分科会ごとに閲覧できます。
※PDFが表示されない方は、ページ下からAdobe Readerをダウンロードしてください。